適度に適当に。

生きててよかった、そんな夜を探してる。

ミュージカル ブラックメリーポピンズ

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ブラックメリーポピンズ福岡公演を観劇してきました。

昔から中川翔子ちゃんのライブによく行き、昨年までファンクラブに入っていたくらい好きなのですが、そんな中、ミュージカルに出演するよ!という情報を発見。共演者欄に小西遼生さんを発見、翔子ちゃんが演じるキャラクターは以前音月桂さんが演じていた、となったら見に行かないわけにはいきません。
 
小西遼生さんはテニスの王子様ミュージカル(伊武)で知ったのですが、出演作のアニメスクールランブル(烏丸)、ドラマ牙狼(鋼牙)は無意識に見ていた好きな作品でした。綺麗な顔、真面目な性格、低くて甘い声、歌声。ラジオなどもよく聞いていた大好きな俳優さんです。「江戸の青空」という落 語を元にしたコメディー時代劇舞台や、「十二夜」というシェイクスピアの喜劇も観劇。こにたんに会いたくて見に行った、というより、見たいと思った作品にたまたま出演している、ということが多くて、不思議な縁を感じます。今回も翔子ちゃんが出演する、という時点で見に行くことは確定していたのに、そこにこにたんまで!!という感じでした。
 
音月桂さんは宝塚雪組出身。水夏希さんがトップスターだったころに結成された雪組男役5名のグループAQUA5のひとりでした。このAQUA5に学生時代ハマりまして、とくに音月さんが男役で舞台上では超イケメン、にも関わらず、素顔はとっても可愛くて女性らしくて、そのギャップが大好きで した。トップスター時代に宝塚公演を見に行きたかったけどそれは叶わず。退団後は女優業をされていたので、いつか生で拝見したいなあ、と思っていたとこ ろ、「十二夜」を観劇しました。「十二夜」は好きな役者さんたちが沢山出演されていて、悲劇ばかり見ていたシェイクスピアの初の喜劇作品の観劇で、とても面白かったです。映像化して欲しい・・・。同じ日にSMAPの草彅剛さんが見に来ていて驚きました!
 
話が反れましたが、そんな大好きな音月桂さんが以前演じていたアンナというキャラクターを今回は翔子ちゃんが演じる、そして共演者が小西遼生さん。見る前からとても楽しみであり、また同時に、初のミュージカル出演だったので大丈夫かしら、音月さんが演じたキャラクターを翔子ちゃんが演じられるのかしら、と不安にもなりました。親心です・・・。笑
 
そんな楽しみな心と、不安の心が入り混じる思いで訪れた福岡市民会館。学生時代テニミュを見に行った思い出の場所です。席は先行で取ったS席、前から10列目の、珍しく端席ではなくセンターだったので、オペラグラスは使用せずとも表情まで見ることができました。
 
元々は韓国で繰り返し演じられた劇で、原作などは無く、劇のために作られたお話。脚本から演出、音楽に至るまで全てひとりの女性の手によって作られたのだそうです。すごい。それが日本語に翻訳されたのが今回のミュージカル。昨年公演があったものの再演です。翔子ちゃん以外は前回も出演された方たち、ということで人一倍緊張したことでしょう。人見知り発動しまくってる様子が稽古中の写真から見て取れました(笑)事前に作品についての情報は一切入れずに見る、というのが私のマイルールでして、今回もそうして行ったのですが、もともと出ている情報自体が少ない劇だったようで、心理スリラーミュージカルってどんな感じなんだろう、と思っていました。
 
メリーと、博士という夫婦に引き取られた孤児である4人は兄妹のように育ち、仲良く暮らしていました。しかし、ある日突然博士が亡くなり、家が火事となり、メリーも失踪。4人はばらばらになってしまいました。4人はそれぞれ違う家に引き取られ成長をするのですが、皆が大人になったある日、一番年上だったハンスが弟妹全員を集めます。この事件の真相についてハンスはずっとひとりで調べを続けており、人を信用することができなくなった自分を変えるためには、この事件の真相を知ることが必要であると感じての行動でした。数年ぶりに会う兄妹たちは皆心に傷を抱え、うまく社会に馴染めず、別人のようになっていました。事件の真相とは一体。なぜ自分たちにはあのときの記憶が無いのか。そして闇の中 を彷徨う兄妹たちは新しい未来を歩んでいくことができるのか───。
 
というのが大まかなあらすじです。スリラー、とありますがサスペンスっぽい感じの内容で、犯人は誰なんだろう、この子たちが傷を負っている原因って何だ!?と考えながら見るのが面白かったです。舞台セットはずっと変わらずにひとつで、照明効果や、椅子が回ったり、ソファが回ったりすることで場面の転換を表現していて、なるほどなあ、と感心。真っ白な部屋の壁を真っ白なカーテンで表現されているのですが、籠の中の鳥=過去の事件に縛られた兄妹たち という印象を強く感じました。影や、カーテンの揺らぎなんかも心理描写をよく表していたように思います。シンプルだけど、作りこまれているように感じました。
 
合間合間に過去の回想シーンが沢山ありまして、役者さん4人がそのまま子供時代も演じるのですが、良い歳した大人が頑張ってはしゃぐ子供を全力で演じている様子がシュールで面白いな、と最初思うんですけど、 それが段々と本当に子供に見えてくる、というこの凄さ。一瞬にして大人⇔子供が入れ替わる演技スイッチの切り替えが皆さん凄かったです。メリーの前だと皆いい子。メリーがいないと、アンナが誰よりも気が強く、負けん気も強くて、男たち3人はアンナに頭が上がらない、というシーンがあるのですが、ここが滅茶苦茶面白くて(笑)翔子ちゃんの演技がすっっっごい良かった本当に子供にしか見えなくて、こういう女の子いるいるいる!!!と(笑)笑い止まらなくて涙まで出てくる始末。まさかこんな割と暗いミュージカルで笑い泣きさせられるとは 思ってもみなかったです。そのように全力で子供時代を役者の方が演じてくださることで、より一層、なぜこんな暗くて怯えている大人になってしまったの、と切なさが募りました。
 
物語は真相に進むにつれて悲しく辛い展開に。先ほどとは一転、涙無しには見れなくて、本当に辛くて辛くて、兄妹たちに訪れた目も背けたくなるような現実に胸が痛みました。その痛みを消すのか、痛みを抱えて行くのか、それぞれが考えて、傷を抱えて生きていくことに全員決め、前に進んでいきます。果たしてこの選択が正解だったのかどうかは分かりませんが、ただただ彼らたちに明るい未来があることを願うばかりです。
 
ミュージカルなので、台詞が歌になっているシーンも多かったです。サントラとかあるのかなあ。欲しい。歌詞は全てパンフレットに載っていました。歌も皆さん上手で、迫力ありました。翔子ちゃんに対して心配していましたが、本当にいらぬ心配でして、演技も歌も申し分なく素晴らしかったです。怯えるアンナ、元気なアンナ、見事に演じきっていました。この小さな身体でどれほどの努力をしたのだろう、とライブのときいつも思うのですが、今回もそう思わされま した。カーテンコールでのスタンディングオベーションを見て、感動し喜んでいる翔子ちゃんが本当に嬉しそうで、良かったよ素晴らしかったよ、と声をかけたい気持ちでいっぱいになりました。
 
ハンス役の小西遼生さん、ヘルマン役の上山竜治さん、ヨナス役の良知真次さん、メリー役の一路真輝さん。皆さん魅力的で引き込まれる演技をされる方たちでした。とくに良知さんが演じるヨナスの精神壊れっぷりは本当に凄かった。共演を知ったとき、翔子ちゃんとこにたんでラブロマンスとか無いかな~など下世話なことを思っていたのですが、ヘルマン×アンナがあまりに良 くて、上山さんと翔子ちゃんがカップルになっても素敵だわ!なんてまた下世話なことを思ったり(笑)上山さん恰好良かったし、身長差とか色々萌えた・・・。ていうかヘルマンが超良いやつなんだ・・・!!
 
前回の音月桂さんがアンナをしているバージョンもより一層見たくなったので、DVDが今欲しいところです。今回のも映像化になったら購入間違いなしです。予約開始したので早速してきます!!